ODA Online Lectures

二十渉・雪山セミナーライン講座  その11 2023年1月16日

雪山での基礎技術を研修していますが、基本には、ちゃんと意味があります。無視できない意味、内容を持っているから基本なのです。基本を身に付け、山行を繰り返しながら沢山の体験を積んで下さい。その中から応用力も身に付いてきます。

登山は、人生を豊かにします。心が動き達成感があります。山上での感動と歓びが有ります。登山と仲間、人がいるから愉しく、山登りを続ける事が出来ると思います。私は、応用力を身に付けるために10年間の修行時代を体験しました。その中で自己の限界への大いなる挑戦をしました。勝ち抜いた先に記憶に残る感動も有りました。

最困難や最悪の状態などを体験してきました。その過程で、中級者の頃、自己過信の傾向が強く岩や氷雪に潜む危険を正し読み取る能力が身に付いていませんでした。危ない目に何度も逢いながら指導者への領域に入りました。指導者になってからも、挑戦する山行を繰り返しました。

日本の冬山は、気象や積雪、急峻な高山は、登っていて厳しく困難な場合が多々有りました。地形の険しい山域では、初級、中級レベルでは、危険な雪山、冬山になります。私達、中高年が目指さない方が賢明と思います。何故、冬山セミナーではなく雪山セミナーにしたかと言いますと、これが理由です。

槍や穂高、劔岳といった地形の険しい冬山でなく、ゴールデンウィーク頃の、一番楽しい時期の雪山を楽しもうと思っています。その為に雪山セミナーとしました。
今年のゴールデンウィークには、二十渉、雪山セミナー、山行は、槍ヶ岳、もしくは穂高岳を計画します。6月第一週には、梅雨前に豊富な残雪を利用して劔岳を予定しています。この山行が雪山セミナーの最終山行です。

登山は新しい山、ルートに出掛けるたびに、新しい発見が有ります。同じことの繰り返しからは、停滞以外、なにも生み出しません。私にも、年老いても、友と約束の山が有り邂逅の山々があります。本当に登山は人生を豊かにしますね。ではまた。
二十渉・雪山セミナーライン講座  その12 2023年2月6日

私は、最近、山行きでの登りで、ワクチン後遺症以後、鼻が詰まるせいか息がはずむ事が多いと感じていました。よく考えると原因は肺ではなく血液循環だと思いました。一拍ごとの血液量が減り効率の低下が起きているのでしょう。

220マイナス年齢で最大心拍数(どこまで頑張れるかの値)の目安は算出されますが、私はもう150ぐらいの数値になっています。普通の人が走った時の最大心拍数180を越えない位と比較すると、随分変化しています。64歳を越えてから2回の心臓手術(不整脈)を受けています。それを思うと、今、山登りを楽しめていることは、丸もうけ、かもしれません。重力と心臓からの距離がある下肢からの血流の戻りが効率悪くなっているので、心拍数を越える勢いで下肢からの血流が帰って来るには、どうすれば良いのかと思いました。

ランニングの分野では、ストライド走法、ピッチ走法と言われることについて考えて登山に応用しようと思いました。1秒の間に2歩のピッチペースを、1秒間に3歩のピッチペースで行うことにしました。ピッチの増やし方は簡単でした。歩幅を狭くすれば良いのですから。登山道の傾斜の緩いところでは、歩幅を大きくして強弱をつけました。血流の戻り効率が良くなったので息がはずむ事が少なくなりました。

数値など目立つものばかりに着目していますが本質とは異なるのではないかと思っています。
そのひとつに、睡眠があります。登山中に前夜の睡眠不足が堪えているなあと思うことこが有ります。睡眠は、あらかじめ脳に備わっているリセットシステムです。脳を休め副交感神経を働かせて内蔵で消化、吸収を行います。昼間の活動で生じた活性酸素を除去します。活性酸素は生活習慣病や老化の原因となります。松果体から分泌されるメラトニンが睡眠中に掃除してくれます。

メラトニンの原材料は豆類や乳製品に多く含まれる、必須アミノ酸、トリプトフアンです。メラトニンは、太陽が沈むと合成され夜に消灯されると分泌します。昼夜逆転の生活の場合、休息とエネルギーの補給は、できますが、メラトニンが十分に分泌されないので、活性酸素が残ったままです。

やはり、規則正しい生活と食事が大事と言うことです。私の場合、日常生活のリズムは、家族も同じなのですが夜11時迄には布団に入ります。朝、6時迄には起床して7時半の出勤の準備をしています。

日帰りで朝4時起床の早朝発となると2時間ほど寝不足になります。私は、この寝不足が疲労の一番の原因と思います。ましてや、前夜、遅くの出発などは、睡眠不足て大変です。

さてそこで、夜はメラトニンの分泌でリセット、では昼はなんでしょうか。日中、太陽光の刺激を受けて分泌される神経伝達物質、セロトニンです。数万個と言われるセロトニン神経、細胞グループから分泌されます。脳全体をコントロールする重要な仕事をしています。

太陽を浴びる以外にも規則的なリズム運動もセロトニン神経を活性化します。ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動、ヨーガ、読経などは自然と腹式呼吸となり効果的です。やり終えた後、スッキリします。心の安らぎ、バランス、感情の抑制など脳のバランスをとる役目を果たします。

余談ですが内側前頭前野(共感脳)が起点となる情動の涙、これも、脳をリセットします。号泣すると副交感神経が優位になり緊張が一気にとけ活力が上がります。涙を我慢すると逆効果になります。泣くな!男だろう。という言葉は、この事がわかっていなかったからですね。ではまた。